以前の記事「真の〈変容の姿〉」「真の〈変容の姿〉Part2」では、世間で、「人生が変わる」「変容する」と言われる、南米シャーマニズムで使われているプラントメディスン、アヤワスカに関して、その変容の実態や変容の心理構造について解説しました。また、実際に感じられる、変容後の人々の姿を描写しました。
→「真の〈変容の姿〉―アヤワスカ・サイケデリックス・旅の後」
→「真の〈変容の姿〉Part2―アヤワスカ・サイケデリックス・旅の後」
この記事でも、人々に「これからの人生、何があっても大丈夫な気がします」と語らせる、アヤワスカの「存在の変容」が何なのか、少し書いてみたいと思います。
さて、世間の自己啓発系などでは、よく「OSを書き換える」「OSを書き換えましょう」的な表現が使われます。
OSとは、Operating Systemの略です。商品名でいうと、Microsoft WindowsやmacOSなどです。実用的なアプリケーンを動かす上での基盤的なシステムのことです。
そのため、「OSを書き換える」という言葉で、「基盤/根本から変えましょう」ぐらいのかけ声で使われているのでしょう。
しかし、現実問題、人間のOSは、機械ではないので、そんなに簡単に書き換わるものではありません。
更新するのさえ、超大変です。
それが簡単にできたら、人類の誰も苦労しないでしょう。
それに、OSを書き換えるには、そのシステム構造をよく理解していないとできないことです。
私は、昔、パソコンでWindows自体が起動しない(画面に出ない)という最悪な障害に見舞われた際、Windowsの下の階層にあるMS-DOSにまで潜入して、データを救出したことがありました。
そのように、「存在の階層性/次元」をよく理解していることが、必要なのです。
(現在、人の心に対して同じようなことをしているのは不思議な気分です)
普通、私たちは、そのような深い次元にある「心の階層/構造」にアクセスすることなどできないので、OSの書き換えることもできないのです。
ところが、アヤワスカ体験については、実際に、このようなOSの書き換え/更新ということが起こってきます。
アヤワスカ体験においては、深い次元にある「心の階層/構造」にアクセスすることが可能になってくるからです。
前の記事でも解説したような、自我(ego)や自己(Self)にまつわる、心の階層性/次元に関する解放によるものです。
アヤワスカ体験では、日常意識の変化する、さまざまな「変性意識状態」に入っていきます。
ここが、重要なポイントです。
しかし、軽い変性意識状態では、OSを書き換えることはできません。
お酒に酔っ払っていることも、変性意識状態ですので。
それで、人が変容しないというのは、自明のことでしょう。
→「変性意識状態(ASC)とは何か」
変性意識状態についても、真の「強度な」変性意識状態でなければ、OSを書き換えることなどはできないのです。
下記に、実際に、私が体験した数々の「強度な」変性意識状態を記述しているので、参考にしていただけますと幸いです。
世間で気軽に語られるものとは、様相や次元が違うものであることがわかるでしょう。
→実際の変性意識の「体験事例」
アヤワスカ体験も、そのような「強度な」変性意識状態をひき起こすものであります。
そのため、「自我」が溶解し、「本来の自己」に、「絶対の次元」に触れる体験が起こることもあるのです。
そして、真の「変容」が可能になってくるのです。
そして、このような強度な変性意識状態を経ていくと、私たちは、通俗的な人々の時空世界が、あまり気にならない、ちっぽけなものに思われてくるのです。
地に足がついて、現実的でありつつも、一方で、感覚の宇宙的な透過性が増してくるのです。
1950~60年代の、サイケデリックな実験が反映された「昔のSF小説の世界」のような感覚がしっくりしてくるのです。
そして、人々が蝟集するソーシャルメディアやネットの世界から離脱し、より惑星的な視座で、生態的な生命感が開けてくるのです。
昔、ハインラインが、『異星の客』の中で、身体をもたない火星人の超越的な意識を描いたように、可能性に満ちた、無限の意識のひろがりが腑に落ちてくるのです。
また、F・ハーバートが、『デューン 砂の惑星』で、時空を超えるサイケデリックなスパイス/香料『メランジ』をめぐる、一大叙事詩を描いたように、超越的なインナー・スペース(精神宇宙)とアウター・スペース(物質宇宙)とが重なっている、浸透性の、多次元的な歴史宇宙を生きるようになるのです。
「意識はその時間を超越した層に流れ込み、そこでかれは時間を眺め、利用できる道筋を、未来の曲がりくねった道を感じることができた……それだけではなく、過去の道もだ。片目(ワン・アイド)で見た過去の展望、片目で見た現在の展望、片目で見た未来の展望……そのすべてが結びついて、三つの目による展望(トリノキュラー・ビジョン)となり、かれに〈空間・となる・時間(タイム・ビカム・スペース)〉を見せたのだった。
そこには自分自身で行きすぎを犯してしまう危険があると感じたかれは、経験したことがぼんやりと偏向していくこと、時間が流れていくことで、〈ISであるもの〉が〈永劫のWAS〉へ連続して固まってゆくことを感じて、現在の意識にしがみついていなければいけなかった。
その現在にしがみついていようという努力の中で、かれは初めて、つねに変わることなく流れつづける巨大な時の動きを感じた。その流れはいたるところで、移り変わる潮流、波、岸へ打ちよせる波、岩だらけの崖へ打ちつけては返す波のように錯綜していた」ハーバート『デューン 砂の惑星』矢野徹訳(早川書房)
そして、そのようなものたちが、単なる小説的イメージではなく、今ここにある、「感覚や意識の透徹性」として、「拡張した身体性」として感じられてくるようになるのです。
◆現地アヤワスカセレモニーのご案内
▼実際に現地にて、シャーマニックで、深遠な、本格的アヤワスカセレモニーを体験したいという方はコチラへ↓
「Luz de ayahuasca」
https://www.instagram.com/luz_de_ayahuasca/
https://www.instagram.com/tq_zone/
https://note.com/urbanshamanism
※ちなみに、『デューン』は最近、ショボい映画にされたので、原作の名誉のために言っておくと、『デューン』は、あのA・ホドロフスキーが映画化を企画し頓挫し、デイヴィッド・リンチが映画化するも、出来に不満足で、自分の名前をクレジットから外してくれと申し出たような物語です。映画の天才にとっても、映像化の困難な作品が、『デューン』なのです。
【ブックガイド】
変性意識状態(ASC)やサイケデリック体験、意識変容や超越的全体性を含めた、より総合的な方法論については、拙著
『流れる虹のマインドフルネス―変性意識と進化するアウェアネス』
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。
ゲシュタルト療法については基礎から実践までをまとめた解説、拙著
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
をご覧ください。