シャーマニックな精神探求とサイケデリック・カルチャー

 先日、現在南米でシャーマン修行をしているMiyukiさんと一緒に、Shamanic Gathering と題して、レクチャー&トークを行ないました。
 Gatheringでは、シャーマニズムで語られがちな「基本的な宇宙の構造」や、その他のシャーマンスキルについて色々とお話いたしました。
 そして、アヤワスカなどのプラントメディスンも、そのシャーマニズムの宇宙観の中で、然るべき位置を持っていることを解説いたしました。

 というのも、日本では、「アヤワスカ」などが、不思議体験ができるドラッグのようにとらえられていて、YouTube動画などでも、面白おかしく取り上げられるという、日本特有の悲惨な事態があったからでした。
 これはひとつには、日本では、1960年代に、サイケデリック的な探求そのものが正しく理解されることがなかったために、今でも、サイケデリックスが、あたかもドラッグのようにとらえられているという、お粗末な状況があったためです。そして、サイケデリックスのことをきちんと理解する、前提となるセンスや取り組み姿勢が、根っこから欠落していることになっているためでした。
 私自身、思い出してみても、子どもの頃に、サイケデリックと呼ばれる音楽に非常に感銘を受けて、「サイケデリックとは何なのか?」と思い、まわりの大人たちに聞いたり、色々と調べてみても、日本の中に、納得できる、まともな情報やとるに足る見識がまったくなかったことを思い出します。そして、それは、現在でもほとんど変わっていない状況なのです。むしろ、巡り巡って、私自身が、正しい情報を自分で発信するはめに陥ってしまっているわけなのです。

 さて、アヤワスカや、マジック・マッシュルームペヨーテなどのプラントメディスンは、部族のシャーマニズムの中で、きちんとした位置づけを持つものです。
 シャーマニズムの宇宙観や脱魂の技法の中で意味をなす存在であり、心の働かせ方や深め方の感覚がなくて、ただ、摂ればいいというものでもないのです。
 そのように摂っても、その真に深遠な次元には触れられないのです。
 また、このシャーマン的な内的探求の方法には、関連した、真摯な探求者たちの経験による、さまざまな情報(知見)の積み重ねがあるのです。
 そのような見識を抜きにして、きちんとした体系的な精神探求をしたこともない人間が、これらを摂っても、当然、単なる幻想や勘違いで終わることもしばしばのことなのです。また、心理的に危険なことが起こることさえあるのです。

 今回の Shamanic Gathering の後にいただきました、ご感想の中にも、次のようなご意見がありました。

「ヒッピーカルチャーの印象が強く、シャーマンのセレモニーに懐疑的な気持ちや忌避的な感覚をわずかに抱いておりましたが、お二人のお話をお聞きして印象が180度変わりました。
 怪しいものでは決してなく、むしろ、内面の広大な深奥の世界へ実直に向き合う、理路整然としていて、確立された方法のように感じました」 Mさん(女性)

 現代日本の中で、普通の方々にとっては、シャーマニック・セレモニーなどのようなものが、キワモノ扱いされていることが、よくうかがえるご意見です。
 しかし、実際のシャーマニック・セレモニーは、いかがわしいものでもなければ、遊びでもない、真摯な精神探求と自己解放の方法論なのです。
  Shamanic Gatheringでは、このあたりを意識して、色々とお話されていただきました。