おもろないやん

別に、拙著『砂絵Ⅰ』の中では、道化の持つ創造性について触れました。
「道化の創造性」
『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

私たちの心の中にあるトリックスターのような、ユーモラスで壊乱的な、創造力の要素(作用)についてです。

私たちの心の中には、退屈な物事や生活をくつがえし、かきみだし、笑いを浴びせかけ、物事をリフレッシュに刷新する、心の元型的な作用、創造的な要素があります。これは、停滞しがちな私たちの人生を、豊かにする重要な霊感、視点でもあります。

ところで、関西では、よく「おもろいこと」を重視します。
時々の人生の選択肢で、どちらにしようか迷った時に、多少リスクがあっても、心が生き生きとする「おもろいこと」の方を選択していこうとする心性でもあります。

それは、危険を取っても、人生を面白がり、冒険していこうという心の奥の内発的創造性の働きです。

逆の言い方をすると、安全で手堅い、昨日と同じ変わり映えのしない見慣れた人生の風景の中で、退屈に生きていくことを、「おもろないやん」と拒否する心性です。心の反撥力でもあります。

私たちにとって生を沈静化し、退屈にする最大の敵とは、慣性・惰性です。
毎日の生活習慣です。

ロシアの思想家 G・I・グルジェフは、そんな人間の変わらない習慣的なシステムについて、警鐘を鳴らし続けました。

G・I・グルジェフ「もし、君たちが、明日を違ったものにしたければ、まず今日を違ったものにしなければならない。もし、今日が単に昨日の結果であるなら、明日もまったく同様に、今日の結果となるだろう」 (ウスペンスキー『奇蹟を求めて』浅井雅志訳、平川出版社)

昨日と同じことをやっていても、人生は、まったく変わらないのです。
今日「何か」違う新しいことを行なわなければ、「昨日のような明日」がえんえんと続くだけなのです。

一生「昨日のような今日」を、「今日のような明日」を生きるだけとなってしまいます。

惰性で繰り返される毎日を、職場の仕事を、生活の細部の行ないを、「おもろないやん」と拒否することが必要なわけです。

少しだけ違った新しい「おもろいこと」を試してみること。創造的への道を微細ながらも切り開いてみること。

そのことが、私たちの人生を少しずつ確実に、変えていくことになるのです。


【ブックガイド】
ゲシュタルト療法については基礎から実践までをまとめた解説、拙著
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
をご覧ください。
気づきや変容、変性意識状態(ASC)を含むより総合的な方法論については、
拙著
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。